天狗の休み松から落ちた煙草の吸殻
どんな伝承か
七尾湾に浮かぶ能登島に、向田という役場のある集落がある。その向田から南の山の中の、ヤミと称するところに、天狗の休み松といわれた松の木が大正の中ごろまであった。上の方の枝が四方八方に広がって、大柄な天狗が座るのに具合のいいような格好をしていたそうである。その松の木の下はちょうどよい木陰になっていたので、村の人たちはそこでよく休んだ。あるとき村の人が下で休んでいると、上の方でも天狗が休んで煙草を吸っていた。天狗が煙管で吸殻をはたいたところ、それが下にいた村人の頭のてっぺんに落ち、大やけどをしたそうである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)