天狗の木を切って崩れた炭焼き窯
どんな伝承か
東京都奥多摩町の十二天付近に伝わる天狗の祟りの話。ある炭焼き職人(三十七、八年前)が変わった木に気づかず切って炭焼き窯にくべたところ、翌朝には窯の天井が落ち、積んでおいた薪も崩されていた。信心する人に見てもらうと、天狗が木を切られて怒ったのだと言われ、以来この場所に入る際は酒・塩・米を供える習わしができたという。話者で十二天の所有者である笛田峰一郎は、今は人が寄りつかず祟りも聞かないと語っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。