木挽松を伐った曾祖父と東名の事故
どんな伝承か
牛渕の上ノ原、いま東名高速道路が通っているあたりに、木挽松とか山伏松とか呼ばれる大きな松があった。行き倒れた木挽か山伏を葬った所とかで、根元には古びた小さな墓石が二つあった。この松は二代目で、明治一五年頃に一度伐られている。松が田に日陰をつくり、根元の草むらが病害虫の巣になって農家は困っていたが、祟りを恐れて誰も手を出さない。そこで村の世話役が曾祖父の浜吉に始末を頼んだ。浜吉は切り倒したが、まもなく熱病で亡くなり、死の床で「松が風でざあざあ鳴っている」とつぶやいたという。昭和四〇年、東名が通ることになり、伐る前に和尚が供養をした。開通後初めての事故は木挽松のすぐそばで起き、一家全員が死亡した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)