金有沢で向かってきた六尺のナメラ
どんな伝承か
話者が二十歳ごろ、土用に入って干し草を刈る時期のこと。四、五人で金有沢というところへ草刈りに出かけ、昼食のあとキリギリスの声を追って一人で離れると蛇が現れた。後ろへ引けば追ってきて、前へ出れば向かってくる。音を立てて息を吹きかけ、三尺ほども身を立てて猫の子が威嚇するような構えを見せた。手に負えず仲間を呼ぶと蛇は松に登ったので、直おんつぁまという人が鎌で断ち切った。それでも蛇はまた話者の方へ寄ってきて、切られた部分が平たくつぶれて細っていった。長さ六尺ほどもある大きなナメラで、生かしておけないと皆で切り刻んだ。蛇を避けると祟られるが、喉笛に木を突き刺せば祟られないと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)