六郷神社のお使いひめとなった蛇
どんな伝承か
語り手の祖父が羽田の川べりから六郷の船着場へ戻ってきたとき、南風に押されて船が寄せられ、竿を突っ張った先に大きな蛇がいた。船は蛇を嫌い、船霊様は女の神様だというので、祖父は「そんな所にいると悪い奴に殺されるから早く行け」と声をかけた。荷を積んで出ようとするとまだいたので二度、三度と言い、三度目には姿がなかった。後日、神社へ行くとその蛇がいた。尾が切れていたので分かったのである。尾の切れた蛇は神社のお使いひめだと伝わり、六郷神社の使いが南風で渡れずにいたのだろうと話した。祖父が声をかけると、蛇は舌を出して辞儀をするような様子を見せたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)