母の実家の座敷に出た白い守り神
どんな伝承か
昭和一八年頃、語り手が一二歳ほどだった夏休みのことである。母の実家である奈良沢の家に行っていると、暑い真昼に白い蛇が座敷へのろのろと出てきたので驚いた。母たちからは「家の守り神だから、いたずらなどしないでそっとしておけ」と言われた。蛇はいつのまにかどこかへ姿を隠してしまい、それから現在まで一度も見たことがないという。今でも不思議でならないと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。