塚ノ成古墳の石室に棲んだ白竜さん
どんな伝承か
明治の半ば頃の話だという。丹後の国、熊野郡甲山の中村なにがしという人が、村の東の山裾にある塚ノ成古墳の石室の中で、一匹の小さな白蛇を見た。いつ来ても姿を見せてくれるので人知れず通っていたが、白蛇を見てからというもの何をやってもよいことが続き、金回りもよくなり子宝にも恵まれた。ありがたい、あれは白竜さんに違いないと思い、古墳の前に白竜さんと書いた幟を立てて祀った。噂は近在に広まり人々が参るようになり、幟も何本も立った。ところが何年か後、参りに来たある男が白竜さんを竹の先で突いたところ、白蛇は岩の内へ入り、二度と姿を見せなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)