七代七流れ祟ると託宣した大蛇
どんな伝承か
秋の生保内川へ産卵の川鱒が遡る頃、徳左ヱ門が小屋を構えて待っていると大蛇が襲いかかり、彼は咄嗟にヤスで口を貫いた。血に染まって死んだ大蛇は珍しがられ、稲架に吊るして見世物にされた。時代が下って明治の初め、宿の集落では薪を川に流して運んだが、その番が徳左ヱ門の家に回るたび大水が出て薪が失われる。託宣を求めると、呑もうとして討たれたことは恨まぬが七日七夜も骸を晒されたのは許せぬ、七代七流れ祟ると告げられた。以後、破産や長男の変死が相次いだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。