里まわりを捨てに行った子らの死
どんな伝承か
戦時中の高月での出来事。鶏を飼う家に里まわりと呼ぶ大きな蛇が居つき、毎日のように卵を食べにきた。業を煮やした主人がとうとう叩き殺すのを、五、六歳の隣家の男の子と、語り手の従兄弟の男の子が見ていた。主人に頼まれた二人は、蛇が大きいので棒を使ってかつぐようにして捨てに行ったという。ところがそれから一年ほどのうちに、殺した主人と運んだ子ども二人の三人が、軽い病気や漆かぶれなど原因のはっきりしない病でみな亡くなり、蛇の祟りだと噂された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。