竹生島の弁天の神蛇を捕らえた男
どんな伝承か
蛇捕りの男の語りである。今までで一番大きな相手は琵琶湖の竹生島の弁天様の神蛇で、四メートル二〇あった。弁天様の神主が怒り、お前みたいな罰当りは一年以内に死ぬだろうと言ったが、まだ死にもしないという。日本中で蛇を捕っていけない所は山口県岩国の白蛇だけだとも語る。大蛇の吐く息には毒気があるので顔は絶対に上げず、地に伏せて這い寄り、のどに手をかけて胴に抱きつき、両手でのど首を力一杯しめ、脚で胴を攻める。四、五時間も争って大蛇がぐったりしたところを袋に入れて持ち帰ったが、神様のお使い姫を捕るとは何事だと親爺に叱られ、島へ返す気にもなれず家で飼っているという。
原典より
---#### 話例・4 伊勢参りに行った木明治の話である。—— 現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。