腰かけた大口縄と煙草の毒
どんな伝承か
大口縄(蛇)がいるとも思わず、そいつに腰かけて、煙管をもってコンコンとやったら、下のものが少しずつ動きだした。これは何だ、ほかでもない、と慌てて逃げたという話を聞いた。煙草は蛇にはどえらい毒だという。茅のすぼ(芯)を取って煙管に差し、それを抜いて大口縄を押さえておき、腹にずっと差し込んでやったら、腹が黄色のようになって真っ直ぐにピーンとしてしまい、それきりだったという。それから、炭焼きの棲む山には蛇がいないともいい、炭焼きのガスには弱いらしいと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。