河原へ戻された庭石の祟り
どんな伝承か
ある酒屋が座敷の外に庭を造り、河原から形のよい石を拾ってきて池のそばに据えた。誰もが褒めるので酒屋も自慢にしていた。すると石のあった村の若者が四、五人で来て、自分たちの村の石だから返せと言った。本当はただ酒が目当てだったが口下手でいきなり切り出したため、腹を立てた酒屋はあっさり持ち帰れと答えた。引っ込みのつかない若者たちは汗だくで土橇に積んで運んだが置き場がなく、元の河原に放り出した。その後村では火事や死人、流行り風邪が続き、巫女に聞くと、庭の王様になれたのに河原へ戻された石が祟っているという。村人は酒屋に詫び、若者たちが再び石を運んで庭に据え直した。
原典より
ある酒屋で、座敷のそとへ庭作ったどぎのこったどもー。—— 村上市史 民俗編 下巻(村上市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村上市史 民俗編 下巻(村上市史)
『村上市史 民俗編 下巻』は、新潟県村上市の市史の民俗編から、口承の節(伝説・世間ばなし・謎とことわざ)を抜き出したものである。地名・神社・寺や仏・地蔵・水・人・動植物・塞の神・杖の跡に分けた伝説と、狐や河童、火の玉、山の神などの世間ばなしを、土地の言葉の語りのまま採集地を添えて収める。義経が跳び越えた一跳山、三面川の小助島、岩船の大火など、村上市内の土地に結びついた話が中心である。