洪水に乗ってきた赤エイの神様
どんな伝承か
横迎町には、菊池松蔵の母が祀り始めたという竜神を今も祀り、毎日神酒を供える家がある。いつのころか、田名部川の上流から洪水で流された丸太が菊池家の前の岸に着いた。薪にしようと手をかけると丸太は生き物のように動き、切れ端から赤エイの頭がのぞいていた。やがて赤エイは母にのりうつり、京から田名部川をさかのぼってきた赤エイの神だが洪水で流された、祀れば家を水難から守ろうと告げた。菊池家は庭に社を建てて祀った。昭和十年ころ、この神に仕えていたという白装束の女が突然訪ねて来て社の前で祈り、由来や祀り方を記した書状を納めて去ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
むつ市史 民俗編(むつ市史)
『むつ市史 民俗編』の口承の章から、下北に伝わる伝説と世間話を抜き出したものである。苫生野や田名部川の口碑、蠣崎氏や落人の宝の伝え、恐山の開基と天狗・霊話、常念寺の仏、横迎町の竜神と河童、行人塚、半太窪、飯綱の噂、奥内・関根・大湊・田名部の狐の話などを収める。菅江真澄の紀行の記事を引きながら、むつ市とその周りの土地の伝えをまとめている。