旭町に現れた幻の社と菓子箱
どんな伝承か
大正のころ、田名部のある菓子屋が菓子箱を背負って大湊へ向かう途中、今の旭町の辺りで、道ばたに見たこともない立派な社が建っているのに出くわした。前はこんな所にお堂はなかったはずだと思いつつ、神様のことだからと箱を下ろし、菓子をいくつか供えて拝んだ。さて行こうと箱を見ると中は空っぽで、慌てて前を見ると社も消えていた。フドリの彦兵衛に化かされて菓子を取られたのだろうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
むつ市史 民俗編(むつ市史)
『むつ市史 民俗編』の口承の章から、下北に伝わる伝説と世間話を抜き出したものである。苫生野や田名部川の口碑、蠣崎氏や落人の宝の伝え、恐山の開基と天狗・霊話、常念寺の仏、横迎町の竜神と河童、行人塚、半太窪、飯綱の噂、奥内・関根・大湊・田名部の狐の話などを収める。菅江真澄の紀行の記事を引きながら、むつ市とその周りの土地の伝えをまとめている。