泥水を酒と飲まされたカネジョダダ
どんな伝承か
昔、田名部の迎町にカネジョダダと呼ばれる人がいた。ある日、上の田を見回りに出たまま、なかなか戻らない。ダダが田を見ながら歩いていくと田小屋があり、中から人が出てきてしきりに入れと勧める。断りきれず入ると、酒や肴でもてなしてくれた。上機嫌で送られて帰ってきたダダは、家に入るなり、外に子連れの人がいるから出汁をやってくれと言う。家の者は言われるままイワシの焼き干しを包んで渡した。そのうちダダの様子がおかしいので田名部病院へ連れていくと、泥水をたくさん吐いてようやく落ち着いた。正気に戻って着物を脱がせると、懐から木の葉が何枚も落ちた。焼き干し欲しさに、人のいいダダを狐がだましたのだろうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
むつ市史 民俗編(むつ市史)
『むつ市史 民俗編』の口承の章から、下北に伝わる伝説と世間話を抜き出したものである。苫生野や田名部川の口碑、蠣崎氏や落人の宝の伝え、恐山の開基と天狗・霊話、常念寺の仏、横迎町の竜神と河童、行人塚、半太窪、飯綱の噂、奥内・関根・大湊・田名部の狐の話などを収める。菅江真澄の紀行の記事を引きながら、むつ市とその周りの土地の伝えをまとめている。