笠も小屋も吹き飛ばす笠吹き地蔵
どんな伝承か
昔、宮原に弥五兵衛という大柄な男がいた。ふとしたことで風邪をこじらせ、あちこちの医者に診せても治らない。家の婆がひそかに山上の地蔵に二十一日の願を掛けると、その甲斐あって弥五兵衛は床を離れられるまでになった。話を聞いた弥五兵衛が礼参りに登ると急に大粒の雨が降り出したので、自分の笠を地蔵にかぶせて帰った。翌日行くと笠は吹き飛ばされていた。またかぶせても、しばらくするとやはり無くなる。いっそ小屋を建てようと建ててみたが、秋祭りに登るとその小屋まで吹き飛んでいた。そこで地蔵の顔を真綿で包むことにし、笠吹き地蔵と呼ぶようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南陽市史 民俗編
『南陽市史 民俗編』の伝説の節を抜き出したものである。山形県南陽市の白竜湖の由来と東正寺の僧の話、金沢の三坂(七両坂・泣坂・薄雲坂)、猫の宮の猫、二色根薬師、赤湯温泉の起こり、吉野の大黒岩と千人塚、珍蔵寺の鶴、三堀観音などを収める。置賜盆地の湖と温泉と山の寺にまつわる伝えが中心である。