死と誕生を告げた三本足の鳥
どんな伝承か
菅谷の入水寺の北に万夫の湯があり、その上に根元が一つで幹が三本に分かれた三本杉という木があったという。そこに巣を作り、奇妙な声で鳴く三本足の鳥がいた。体の毛は白く羽は黒く、コウノトリにも似ていた。何か変事があると、鳥は必ず入水寺の大杉で鳴いた。死の知らせにはガオッタ、ガオッタと鳴き、頭を向けた方角で三日のうちに必ず人が死んだ。子の生まれる方を向いてはオガア、オカアと鳴き、爺杉なら男、媼杉なら女の子が生まれた。火事のときはガア、ガアとせわしく鳴いた。お産を控えた家の者が寺へ日参し寺も湯も栄えたが、明治三十五年に二本の杉が焼けてからは声が絶えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
滝根町史 第3巻 (民俗編)
『滝根町史 第3巻(民俗編)』の口承文芸の節から伝説を抜き出したものである。福島県田村市滝根町(菅谷・神俣・広瀬)の大滝根山の田村麿と大滝丸、入水寺の観音、小野小町の伝え、鶴ヶ池物語、人柱茂左衛門、曽富登神社、六句の坊、片手観音、三本足の鳥、姥捨山などを収める。古い村誌の文語の引用と聞き書きの口語が混じる。