斬られた強盗常元と柿の木の虫
どんな伝承か
『三養雑記』などの書物によると、享保年間、大津の西念寺の境内に奇妙な形の虫が湧いたという。常元虫と呼ばれたこの虫には、こんな由来がある。常元は旅人を襲っては殺して金品を奪う凶悪な強盗だったが、ついに捕らえられ、西念寺の門前の柿の木に縛りつけられて首をはねられた。亡骸はその柿の木の下に埋められたが、翌年の春、そこから異様な虫が湧き出したので、人々はこれを常元虫と呼んだ。その姿は、姫路で皿屋敷のお菊の化身と噂されたお菊虫とそっくりだったという。
原典より
姫路城、本丸の南、旧二の丸の広場に石さくで囲まれた「お菊の井戸」と呼ばれるものがある。—— 心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。