眼が開くと長女が死ぬ木目込み人形
どんな伝承か
岡山市内に住む宮本家の長女時子が「お人形の眼が開いた」と悲鳴をあげた。二階の居間に置かれた古い木目込み人形の眼が、ぱっちりと開いていたのである。この人形は宮本家に百年余り伝わる“黙り人形”で、以前に処分しようとしたときは家じゅうの者が原因不明の病に倒れ、寺にも供養を断られたという。言い伝えでは、この人形の眼が開くと長女の生命が奪われるとされ、曾祖母・祖母の代もみな長女が死んで次女が家を継いできた。時子は死の影におびえて暮らし、昭和五十九年一月二十一日、言い伝えのとおり急死した。
原典より
床の間の違い棚に置かれている古い木目込み人形の眼が、パッチリと開いているのだ。—— 霊魂の謎-新版タナトロギー入門(中岡俊哉・1990年(平成2年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の謎-新版タナトロギー入門(中岡俊哉・1990年(平成2年))
『霊魂の謎-新版タナトロギー入門』は、昭和四十八年に新書版で出た『タナトロギー入門』を、中岡俊哉が文庫化にあたって大幅に加筆・訂正した心霊研究の本で、まえがきは一九九〇年九月付である。著者自身の霊体験から説き起こし、背後霊・地縛霊・騒霊・悪霊・祖先霊・金縛り・淫霊の事例、臨死体験と転生、死者の声の録音や自動書記、恐山のイタコ、心霊治療、心霊写真の鑑定を国内外の例で述べる。まえがきでは「七疑三信」という著者の調査の立場を語っている。