半量の抗生物質で二日続いた幻覚
どんな伝承か
僧として多くの火葬に立ち会ってきた慈雲は、焼いた人骨にピンクや薄い青、緑の色が付いているのをよく見かけた。火葬場の係によれば抗生物質のせいで、色の付いたところは棒で軽く触れただけで崩れてしまうという。それを知る慈雲は十数年来抗生物質を飲んでいなかった。ところが伊勢の病院に入院した折、副作用のない薬だから半分の量でよいと担当医に熱心に頼まれ、二分の一を飲んだところ、目まいと吐き気、舌のしびれに襲われ、二日間も幻覚に苦しんだ。医師は五分の一でよかったと詫び、一年看護を続けてきた弟子で看護婦の浄光院妙泰尼からもだいぶ責められたという。
原典より
「五分の一位で良かったかね、これ程利くとは思いませんでしたので申し訳なかった」—— 日本の霊能者(前田博(編)・日本の霊能者) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の霊能者(前田博(編)・日本の霊能者)
『日本の霊能者』は、前田博が編んだ霊能者たちの寄稿集である。広瀬謙次郎の霊夢による予言、慈雲の神々の集会、佐藤妙栄の因縁解脱、松原照子の大予言、永田光麗の十言神呪、久遠あやの神々の警告、宮下文智の神霊治療、鶴田照子の鎮魂など、霊能者たちが自らの霊的体験や修行、予言を語った文章を収める。各寄稿の後に編者による人物紹介を付し、その間に編者の随想「霊能者のひとりごと」と、田口日勝へのインタヴューを挟む。