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女売子の怨霊が祟る銀座の一角

所在地東京都中央区銀座六丁目
登場新田潤、筆者
出典銀座六丁目の怪談

どんな伝承か

銀座でコンパス、守中、天華堂と軒を連ねた一角に不祥事が続いた。守中が不渡りを出し、天華堂で迷宮入りの金塊盗難が起き、コンパスが火を出し、最後に天華堂まで焼けた。西銀座通りの老番頭によれば、そこには昔市場があり、それも焼けたという。市場には美しい女売子が大勢いたが、一人が売場主任に言い寄られ、逃げ回った末に思うがままにされた。やがて身ごもると男は堕胎を迫り、結婚を夢見ていた女と揉めた。そんな折、市場は原因の分からない火を出し、女は逃げ遅れて焼死体で見つかった。男は葬儀にも顔を出さない。浮かばれぬ怨みが今も祟るのだという。焼跡には天使像が残り、その翼の陰から女が現れて消えたと語る者もある。

原典より

本郷の根津権現近くに間借りしてゐた頃のことだが、或る空家に幽霊が出ると言ふので可笑しな好奇心から見物に出かけたことがある。—— 銀座六丁目の怪談(新田潤・労働雑誌) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

銀座六丁目の怪談(新田潤・労働雑誌)

『銀座六丁目の怪談』は、新田潤が「労働雑誌」に寄せた短い怪談随筆である。本郷根津権現近くの幽霊の出る空家騒ぎが氷水屋の商略だった思い出から説き起こし、銀座のコンパス・守中・天華堂が並ぶ一角に不渡りや金塊盗難、火事が続いたのを、かつてその地の市場の火事で焼け死んだ女売子の怨霊の祟りとする老番頭の話を伝える。併せて、工場の事故死者の亡霊の噂を職工とおかみさんの語りで描く大江賢次の「ノシ烏賊との夜話」も収める。

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