虫ばかり食べて生きる二尺八寸の女
どんな伝承か
明治十五年頃、越後国東蒲原郡津川の四間町に、年は三十歳に近くなっても身長がわずか二尺八寸しかない女がいた。手足は子どものように小さかったが、腹だけはすばらしく大きく、まるで妊娠でもしているようにふくれ上がっていた。そして平常は決して飯や野菜を食べず、常に芋虫、みみず、土鼠、百足、蟻といった不気味な虫類ばかりを食べて生きていた。冬になって虫類がいなくなると、やむを得ず生豆ばかりを食べていたという。
原典より
そして、平常決して御飯や野菜などを食べず、常に、芋虫、みみず、土鼠、百足、蟻などという不気味な虫類ばかり食べていた。—— 日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)
『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。