東北心霊科学研究会の結成
どんな伝承か
昭和二十年の春、福来友吉博士は東京への疎開が叶わず仙台へ移った。仙台は高等学校時代の懐かしい地であり、夫人の生まれ故郷でもあった。仙台市東町の福来邸は古びていたが、中に入ると書棚が並び、大きな神殿が作り込まれていたという。博士は初め僧侶たちを集め、透視や念写から推して生きた人の生命が肉体を離れ神通力を持ちうること、死後も霊魂が存続することを証拠を挙げて説いた。しかし僧たちは既成の教義にとらわれて何の反応も示さず、博士は失望した。やがて東北大学や山形大学の白川勇記・浅間一男・中沢信千・黒田正大らが集まって東北心霊科学研究会が組織され、顧問に志賀潔や土井晩翠を迎えて活発に動きはじめた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
念写発見の真相(山本健造・念写・超心理研究・1980年(昭和55年))
『念写発見の真相』は、飛騨に住む山本健造が著した福来友吉の伝記と学説紹介の書で、はしがきは昭和五十五年十一月三日付である。念写を発見した福来の幼少期から、東京帝大での透視・念写実験と追放、宣真女学校長・高野山大学教授の時代、仙台での晩年までをたどり、著者による高山市の福来博士記念館建設の経緯や六次元の原理を述べる。全十五章からなり、第二章に福来の論文「弘法大師の御霊影」を再刊のことばとともに収める。