反魂香が呼び寄せた高尾の霊
どんな伝承か
落語の「反魂香」も慕霊の一つで、原話は『江戸嬉笑』にある。反魂香は東海の祖州あるいは西海の聚窟渕にある反魂樹の汁から作るという。噺では、鳥取藩の浪人島田重三郎が吉原三浦屋の高尾と馴染み、しるしに重三郎は短刀を、高尾は反魂香を贈り合う。高尾は仙台侯に身請けされながら従わず斬られ、重三郎が毎夜鉦を叩いて回向し香を焚くと、高尾の幽霊が現れた。これを知った同じ長屋の男が、三年前に死んだ女房に会いたいと薬屋で反魂丹を買い、七輪で焚いて家中を煙だらけにする、という筋である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集