海音如来の御札と新三郎の死
どんな伝承か
新幡随院の良石和尚は、新三郎につきまとうのは口惜しくて出る幽霊ではなく、ただ恋しい恋しいと思う幽霊であると説き、死霊除けに海音如来という大切な守りを貸してやった。丈は四寸二分、金無垢の像で厨子に納まっている。この像を身体に抱いて経文を唱え、また御札を家の諸所に貼るがいいと教えた。お露主従は御札のために新三郎の家へ侵入できなくなる。そこでお米は才覚して伴蔵の家に入り、御札を除いてくれと頼んだ。伴蔵の女房おみねは百両くれるなら除くと伴蔵をそそのかし、お米が承知したので、伴蔵は如来像を盗み御札を剥がして百両をせしめた。翌朝、新三郎は屍骸で発見された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集