持田村の農家に降った谷川の小石
どんな伝承か
四年前、松江市の郊外の持田村の農家野津某の家で、二、三夜続けて小石のたぐいが家の中へ飛び込んで来たことがあった。石は濡れていたり苔が生えていたりして、多い夜には何百も投げ込まれたという。よく調べると近くの谷川の小石であることだけは分かったが、投げるものの正体はとうとう見届けられなかったという。
原典より
四年前、松江市の郊外持田村の農家野津某方に二三夜、礫類が引續けて屋内に飛んで出たことがあつたが—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)
『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。