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目黒から高松まで六時間で飛んだ番人

所在地東京都目黒区
年代伝承(口承)
登場彦次郎、目黒から高松へ空を運ばれた青年
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

明和年中、讃岐の高松から江戸へ奉公に出た青年彦次郎が、ある武家の目黒の下屋敷で番人をしていた。九月二十八日の午後四時ごろ、坊主姿の男がそばへ来て、故郷へ帰ってみたくはないかと言う。そうだと答えると、男は片手で彦次郎を抱え、たちまち庭の外の空中にいた。目を閉じていろと言われて閉じていると、頬に当たる風は矢で突くように鋭く、耳は鳴り響いた。数時間後の夜十時ごろ、高松の自分の家の裏庭に下ろされた。彦次郎が父に次第を語ると、父は驚いて組頭に届け、組頭から江戸へ問い合わせると、話に相違ないとのことだったという。

原典より

坊主男が片手で彦次郎を抱へ、庭の外の空中に在つた。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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