高麗国王の怨霊が化した大鳥
どんな伝承か
数方庭の幟の先に鳥の毛を付ける由来には、別の伝えがある。神功皇后の三韓遠征ののち、高麗国王の怨霊が三間四方もの大鳥となって日本へ飛来し、人や家畜を害した。住吉大神の霊験によって大鳥は忌宮の庭先に射落とされ、その死骸を埋めたところ、まもなく『イキレイ』という悪い病がはやった。人々はこれを怪鳥の祟りと考え、旧暦七月七日から一週間、数方庭の神事を行うと病はおさまったという。そのため今も幟の先に、大鳥をかたどった鳥毛を付けるのだと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・2005年(平成17年))
『妖怪伝説奇聞』は、東雅夫が二〇〇五年に学習研究社から刊行した妖怪伝承地の探訪記である。稲生物怪録の木槌、クダン、牛鬼、塵輪、ナメラスジ、八幡の藪知らず、鬼の骨、蛇骨、鍋島の怪猫、児啼爺などを追い、中国・四国・九州ほか各地の寺社や旧家を訪ねて遺物と伝承を確かめる。月刊誌「ムー」の連載「日本伝説紀行」の十二章を三つのカラーグラビアで区切り、巻末に草双紙『鍋島猫騒動』の復刻を添える。