生放送中に現れた見知らぬ男の子
どんな伝承か
稲川淳二が大阪のABCテレビの生放送の怪奇特集に、人形を携えた人形師とともに出演したときのこと。予定の霊媒師は局へ向かう途中で事故に遭い、スタジオには妙な音が響いていた。誰もいないのに背後の暗幕がへこみ、番組名の看板が揺れ、代わりの霊媒師は稲川の右肩の斜め上に男の子がいると告げ、頭上のバーが揺れ出した。本番中、画面の稲川の肩と人形のそばに男の子が映っていると局員が知らせ、視聴者からも電話が殺到した。人形の台の中に入った大道具係は、人形の動かし方を尋ねる見知らぬ男の子に会っていた。
原典より
僕の後ろにある暗幕、それがクックックッと引っ込んでいくんです。—— 私は幽霊を見た(東雅夫(編)・MF文庫ダ・ヴィンチ) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私は幽霊を見た(東雅夫(編)・MF文庫ダ・ヴィンチ)
『私は幽霊を見た――現代怪談実話傑作選』は、東雅夫が編んだ怪談実話のアンソロジーで、メディアファクトリーのMF文庫ダ・ヴィンチの一冊である。平山蘆江・火野葦平・佐藤春夫・徳川夢声・遠藤周作・柴田錬三郎から石原慎太郎・新倉イワオ・稲川淳二まで、作家や文化人が自ら見聞きした幽霊や怪異を書いた文章を集める。目次には二十三篇と編者解説が並び、水木しげる・山田野理夫・桝井寿郎の座談「怪談詮議」や中岡俊哉「イタコの謎を追う」の抄録も含む。