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白い花野の道で叔母の声に引き返す

所在地千葉県千葉市中央区(千葉大学医学部附属病院)
年代昭和二十六年
登場金沢タネ子、ふうちゃん、呼び戻した叔母
出典現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話

どんな伝承か

昭和二十六年六月二十八日、千葉大附属病院で、三日前に続いて二度目の開腹手術を受けていた筆者の体験。薄暗い野原は白く小さな花で埋め尽くされ、その中を幅二メートルほどの白い道が、はるか遠い山並みの麓まで延びていた。空は曇っていたが行く手は白く明るく、かすかな風の音は音楽のようだった。裸足の筆者は心地よく、早く向こうへ行きたいと思いつつ景色を楽しんで歩いていた。そのとき、ふうちゃんという叔母が自分の名をしきりに呼ぶ声がした。せっかくの良い所なのにと思ったが、ほかならぬ叔母なので引き返した。叔母は手術中に遠くから駆けつけてくれていたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))

『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。

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