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輪形の橋で母が手招きする幻

所在地岩手県遠野市(鍋倉山)
年代現代
登場—
出典現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話

どんな伝承か

俵田某という人は佐々木君の友人で、某校の教授をしている。この人は若い頃、病気で発熱するたびにきまって美しい幻を見たそうである。始めに大きな気体のようなものが丸い輪を描きつつ遠くから近づき、やがて小さくなって消える。すると言葉では言い表わせぬほど綺麗な路がどこまでも現れ、萱を編んだようなものが敷かれている。そこへ十歳の時に亡くなった母が来て道連れになり、美しい川の辺に出る。川には輪形の橋が架かり、母はその輪の中をすうっと潜って向こう側から手招きするが、どうしても行くことができない。こうした経験の最初は、子供の時に鍋倉山の坂路で転んで気絶した時だったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))

『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。

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