あの世の合図に開いた蓮の造花
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どんな伝承か
昭和十一年秋のことである。父と母は、もしあの世というものがあったなら、先に死んだ者が何かの知らせをしようと約束していたという。ほどなく父は予防注射のショックで急死した。通夜の晩、遺体の頭部に飾ってあった蓮の造花がポンと開く音がして、鈴が鈍く鳴った。母はそれを、あの世があることを父が合図したのだと言った。四十九日の骨納めのときには、天井で板が二つに割れるような音が二度した。まだ二歳にならない語り手は毎晩泣き続けていたが、骨納めがすむと不思議に泣きやんだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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