笛吹峠の崖上から子の死を告げる
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どんな伝承か
これは和野の人菊池菊蔵という者の話で、妻は笛吹峠の向こうの橋野から来た者である。妻が親里へ行っている間に、糸蔵という五、六歳の男の児が病気になったので、昼過ぎから笛吹峠を越えて妻を連れに親里へ行った。名に負う六角牛の峰続きなので山路は樹深く、ことに遠野分から栗橋分へ下ろうとするあたりは、路がウドになって両方は崖である。日影が崖に隠れてやや薄暗くなった頃、後の方から菊蔵と呼ぶ者があり、振り返ると崖の上から下を覗く者がある。顔は赤く眼が光り輝き、お前の子はもう死んでいるぞと言う。急ぎ夜のうちに妻を伴って帰ると、はたして子は死んでいた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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