庭をのぞきに来た水死の同級生
どんな伝承か
小学五年の夏休み、学校から同級生が田舎で行方不明になったと連絡があり、父兄たちが見舞いに行くのに子どもたちもついていった。その家は医者で庭が広く、暮れかかった庭で石けりをしていると、薄暗がりに太った男の子が立っている。半ズボンに青と白の縞のシャツ姿で、こちらを見たり道の方へ行ったりしていたが、誰も声はかけなかった。しばらくして、行方不明の子が海辺で高波にさらわれ、水死体で上がったと知らされる。何日も水に浸かって膨れ上がり、決め手はその半ズボンと縞のシャツだったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。