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野原だった日比谷で会った姉

所在地東京都千代田区日比谷公園
年代現代
登場佐々木鏡石、水野葉舟、記録者
出典現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話

どんな伝承か

今の日比谷公園がまだ野原だった、五、六十年も前のことという。語り手の郷里の人X氏が、雨のしょぼつく日に京橋の方から帰り、その原を横切っていくと、向こうのお宮の前にうずくまって熱心に拝む女がいた。田舎縞の着物姿に見覚えがあり、近づくと半年前に死んだ自分の姉だった。驚きはしたが不思議とも思わず、姉も普段どおりで、二人はいつのまにか並んで歩き出す。海軍省へ出る門の方の道で話が途切れ、足元の小石に目を落として振り返ると、姉の姿は消えていた。白昼の出来事だったという。

原典より

私の叔母が先日(昭和五十七年・註/松谷)亡くなりまして、入院の初め頃は、死んだ者の顔が並んで崖の下に居て「来るな、来るな」と言っていて、自分は崖の上で必死につかまっていたと、夢の中の話をしていました。—— 現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))

『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。

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