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子をさらう魚ノ瀬池のドンガン

所在地徳島県阿南市那賀川町江野島(魚ノ瀬池)
年代文化三年
登場語り手
出典阿波の怪談

どんな伝承か

夏の月夜、百姓の男に誘われた子どもが魚ノ瀬池のほとりまでついて行き、二人の影はそのまま水の中へ沈んで消えた。その後も子どもが帰らないことが続き、部落の人々は池にすむドンガン(河童)の仕業だと恐れたが、ドンガンは戸締まりした家にまで入り込んで子をさらうようになった。ある闇夜、子どもを抱えて走る異形のものの前に武士が立ちふさがり、刀を突きつけて二度とするなと誓わせた。文化三年十月十六日の晩、池から火の玉が飛び、ドンガンは去ったといわれ、その霊を慰める松明の祭りが江島の若宮神社に伝わる。

原典より

大と小との二つの人影は、池のふちからズブズブと水の中に沈んで消えたのである。—— 阿波の怪談(横山春陽・郷土怪談・民俗・1958年(昭和33年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

阿波の怪談(横山春陽・郷土怪談・民俗・1958年(昭和33年))

『阿波の怪談』は、横山春陽が昭和三十三年に編み、徳島新聞出版部から発行した郷土の怪談集である。徳島県の各地と土佐との国境の山中に伝わる山女郎、淵や池の主、カッパ、亡霊、火の玉、タヌキやキツネ、大ジャの話を、平安朝の言い伝えから藩政期、明治・大正、昭和の出来事まで、編者が古老に聞き、書物から拾って題ごとに並べる。おわりにでカッパやヘビの話の多い地域や海の話の少なさについて記す。

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