稲生物怪録
どんな伝承か
江戸時代の神道学者・心霊研究者である平田篤胤が著した『稲生物怪録』は、備後三次郡の稲生平太郎の家に起きた怪異——怪音が聞こえ、物が飛び、怪火が燃えるなど——を記録した書で、騒霊(ポルターガイスト)であり幽霊屋敷の記録でもあるとされる。篤胤が校正したのは享保年中、すなわち篤胤の生きた時代より百年も前の出来事の伝承であり、当時すでに通俗の読物としても扱われていたという。井上円了の『妖怪学講義』でもこの書は取り上げられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
第四の世界―心霊現象のなぞをとく(田中千代松・1960年(昭和35年))
『第四の世界―心霊現象のなぞをとく』は、田中千代松が一九六〇年に著した心霊現象の解説書である。予言・千里眼・霊聴・霊言・自動書記・サイコメトリーなどの霊能から、幽霊の体験記、物質化した霊像、叩音、物体移動、心霊写真、ルルドの奇蹟、起訴された霊媒、デューク大学の超心理学までを、日本と欧米の事例を交えて扱う。東京大学教授後藤以紀の推薦文とまえおきに続く十六章で構成し、むすびで心霊研究のあり方を論じる。