七人御先と船幽霊の櫓の音
どんな伝承か
同じ村では、道を歩いていると七人御先がやって来て、それに行き会った者は熱病にかかるといわれた。また海では、風の静かな晩になると、船幽霊が漕ぐ「よいよいよい」という櫓の音が聞こえたという。日清戦争前の土佐の海村に根強く残っていた言い伝えの一つである。
原典より
海では風の静な晩、船幽霊の漕ぐよいよいよいと云う櫓の音が聞えた。—— 日本の怪談(二)(田中貢太郎・日本の怪談シリーズ) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の怪談(二)(田中貢太郎・日本の怪談シリーズ)
『日本の怪談(二)』は、田中貢太郎が書いた怪談・奇談の短編集である。著者が「私の村」と呼ぶ土佐の海村の迷信を語る「鷲」のほか、高岡郡や長岡郡、野根山など土佐の話を多く含み、越中の放生津や立山、銚子の利根川口、京の寺町、摂津の味泥、館林の城下、江戸の碑文谷などを舞台に、蟹や蛇の怪、鮭の祟り、山姑、亡者宿、切支丹の妖術を物語の形で書く。「蟹の怪」から「鶏物語」まで二十八篇を収め、友人や土地の人から聞いた話として語る篇もある。