怪しき旅僧
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どんな伝承か
武蔵の川越領の三ノ町の某農家に、風の寒い夜、一人の旅僧が来て宿を乞うた。冷酷な主は渋々土間に入れたが、明かりも食物も与えなかった。寝床から覗くと、旅僧の右手の指が一本ずつ燃えて部屋が明るくなった。次に左手の拳を鼻の穴に押し込んで抜くと、二、三寸の人形が二、三百も飛び出し、鍬で部屋を耕して水田にし、籾を蒔いて実らせ、刈って米にした。旅僧はそれを一口に飲み、鍋と手桶を呼び寄せ、自分の足を膝から叩き切って薪にして飯を炊いた。食い終えて水を吐くと、囲炉裏は蓮の咲く泥池になって蛙が鳴きだした。
原典より
―――この話は武蔵の川越領の中の三ノ町という処に起った話になっているが、この粉本は支那の怪談であることはうけあいである。—— 日本の怪談(田中貢太郎・河出文庫・明治~大正時代(編纂・出版は20世紀前半推定)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の怪談(田中貢太郎・河出文庫・明治~大正時代(編纂・出版は20世紀前半推定))
宝蔵の短刀=怨霊と祟り(日本の怪談)/幽霊の自筆・船頭の霊/義人の姿と因果応報/土佐・各地の怪異/田中貢太郎の怪談
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川越市の伝承
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