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国府台の兵営へ帰ってくる戦死者の靴音

所在地千葉県市川市国府台
年代明治〜昭和
登場長谷川伸、畑俊六、話者・体験者(補充兵)、第六中隊の中隊長代理
出典日本怪談実話

どんな伝承か

長谷川伸は日露戦役の際、明治三十七年の暮に補充兵として国府台の野砲連隊へ入営した。その連隊にいる間、不思議な事を経験した。丑満時の午前二時頃、衛兵勤務についていると、兵営から三、四町離れた根本の辺りに、微かながら数多くの靴音が起こり、それが兵営へ近づいて来る。衛門の前へ来ると靴音は一段と高く歩調を取るようにして営庭へ入っていくが、何も見えない。連隊本部の手前まで行くと不意に消え、兵営は元の静けさに返るのであった。やがてそれは、戦死した勇士の霊が懐かしい原隊へ帰って来るのだといわれた。靴音が聞こえるのは控兵と不寝番だけで、二、三日すると戦死の知らせとともに新しい補充兵が出征したという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年))

『日本怪談実話』は、田中貢太郎が昭和十三年に著した実話怪談集を河出文庫に収めたものである。明治以降に著者が聞き集めた怪異を報告調の短文で綴り、戦地の霊験や戦死者の知らせ、狐狸・天狗・海坊主、トンネルや自動車に現れる女、幽霊写真、狐狗狸などを扱う。元本は改造社刊の『新怪談集(実話篇)』で、冕言に始まって二百を超える小話を並べ、巻末に川奈まり子の解説を付す。

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足音霊戦死者衛兵戦死者の霊

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