南無觀世音の念寫
どんな伝承か
実験者は二枚の乾板を厳重に封印し、神戸にいる三田氏のもとへ郵送した。要求したのは、東京浅草の観音堂の裏にかかる山岡鐵舟筆の額の文字を神戸に居ながら透視し、その文字を乾板へ念写することであった。送り返された乾板を現像してみると、一枚には「南無觀世音」の五字がはっきりと浮かび上がっていた。厳重に封じられていたはずの乾板にこの文字が現れたことは、遠隔透視・念写実験の中でも際立った成果として記録されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊と神秘世界(福来友吉・1932年(昭和7年))
『心霊と神秘世界』は、文学博士福来友吉が著し、昭和七年に人文書院から発行された心霊研究と仏教思想の書である。御船千鶴子・長尾夫人・三田光一らの透視と念写をはじめ、霊の幻化、念動、物質化など国内外の心霊現象を実験記録とともに論じ、後半では自我・神秘世界・霊と生命を真言密教や華厳の教えによって説く。全五編からなり、この本文は昭和五十七年に心交社が出した復刻版で、梅原正紀・井村宏次らの「解説研究編」を付している。