帝王切開の最中に見た二つの世界
どんな伝承か
山形市のY・Fは、昭和四十八年に長男を出産するとき、帝王切開の手術中に血圧が下がって意識を失った。息子の産声と、血圧を測って、六〇、四〇です、という医者と看護婦のやりとり、走りまわる足音を覚えているという。体が上から下へ冷たくなり、足の先まで冷たくなったら死ぬのだと思った。やがてオレンジ色の世界に入り、広々とした景色の中を飛んでいた。次の瞬間グリーンの世界へ変わり、二つの画面が何度も切りかわる。一方では物体が回りながら迫って押しつぶされそうになり、もう一方ではトンネルのような空洞が迫って吸いこまれそうになった。吸いこまれたら死ぬと思い必死に念じ、心の中は死への恐怖と無念さでいっぱいだった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・平成)
トム・ソーヤーの変身・オメガプロジェクト・色を聴く(共感覚)・クンダリニー覚醒・時間なき世界・光の存在/光の世界・星への旅・体外離脱とは何か・脳と心の関係・シルヴィウス溝・死のリハーサルなど全章にわたり、臨死体験者の証言(弟の気持ちを知る・ベトナム帰還兵・登山家の奇跡)と、ムーディやケネス・リングらの研究、脳科学的解釈を縦横に検討。