火中で心頭滅却を唱えた快川禅師
どんな伝承か
名古屋の医師毛利孝一さんは著書で、特高警察の拷問で火鉢の火に手を入れさせられても痛まなかった人の実話を挙げ、脳内物質エンドルフィンの働きだろうと考えた。そうだとすれば、信長に火を放たれた甲斐の恵林寺で、僧の快川禅師が山門で焼かれながら「心頭を滅却すれば火もまた涼し」と言ったのもうなずける、というのが毛利さんの見方である。著者は、これらは並外れた意志の力を示した人の例で、誰でも同じようにできるわけではないと添えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション)
『臨死体験(立花隆)』は、立花隆が著したノンフィクションである。一九九一年三月放送のNHKスペシャルのための取材を出発点に、日本と欧米の体験者の証言、キュブラー・ロスやムーディら研究者への聞き取り、「文藝春秋」連載中に寄せられた体験談を収める。体外離脱、光の体験、文化による体験の差、感覚遮断や脳の仕組みを章ごとに論じ、末尾で現実体験説と脳内現象説を比べたうえで、著者は基本的に脳内現象説に立つと述べる。