丸太につかまり岸へ戻る
どんな伝承か
川幅は八十メートルほどあり、まん中まで来ると水は肩の高さになっていた。向こう岸には色とりどりの花が咲き乱れ、その先には黒い布をかぶってうずくまる人影が四、五十もあり、こっちへ来てくれ、お前が来ればおれたちは助かるのだと口々に呼ぶ。自分が行くことで助かるならと思って川へ入っていったのだという。ところが中ほどまで来たとき、こちらの岸に当時つきあっていた男性が現れ、行くな、戻ってこいと叫んだので引き返すことにした。歩いて戻ろうとすると、ちょうど上流から自分の背丈ほどの丸太が流れてきた。太さは直径二十五センチほどで皮がついたままである。これにつかまれば楽だと思って必死でつかみ、下流の岸に流れ着いた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
証言・臨死体験(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・平成)
立花隆『証言・臨死体験』を証言者(人物)単位で収録。安田伸・水上勉・邦光史郎・志賀信夫・前田忠明・佐野三治・向井承子・北林谷栄・永倉万治・彗星探索家木内鶴彦・元プロレスラー大仁田厚・羽仁進ら著名人や市井の人々が語る臨死体験(体外離脱・トンネル・光・お花畑・三途の川・死者との再会・人生回顧と蘇生)を、各証言の冒頭に【日付】【場所】【人物】【状況】マーカー付きで収録。臨死体験を脳科学と心霊の両面から検証した立花隆の証言集。