下津郷の記録に残る六百余体の天降り
どんな伝承か
尾張国中島郡下津郷(現稲沢市下津)の村瀬周蔵が近隣五十六か村を歩いて記録した「天降神仏御記録」には、慶応三年九月七日の下赤池村への秋葉観音三尺坊の札降りに始まり、十二月十二日の国府宮への大祓御麻降りまでの様子が記されている。津島の郷土史家堀田喜慶がこの記録を発掘・整理し、津島牛頭天王百二十三枚、秋葉大権現三尺坊百七十五枚など、種類ごとの降札数を分類表にまとめたという。
原典より
以下表示のお札、お像、神器、仏具等は、九月七日下赤池村宇右衛門方に奉読誦妙法華経秋葉観音三尺坊守護所の札降りに始まり、十二月十二日国府宮加藤浅右衛門方へ産土神大祓御麻降りで終る。—— 日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年))
『日本神異見聞伝』は、笠井鎮夫が昭和四十九年に著した霊異の見聞記である。第一篇では、大正期に大本で鎮魂帰神を受けた著者が、霊媒による死者の招霊や狐霊・竜神の託宣、霊石の発掘などを研究会での語りの口調で伝える。第二篇では、慶応三年のええじゃないかのころ尾張・遠江・駿河・美濃・丹後などで起きたお札降りを、旧家の古文書や郷土史家の便り、著者の現地調査から記録している。