幽冥の神となっていた松太郎夫婦
どんな伝承か
明治十六年五月の初め、小野当以が大阪南堀江橘通りの教会所を訪ね、金築長之助とともに恒原家を訪問した。すると松太郎夫婦は天満宮の御用の便のためにすでに形を引き揚げて幽冥の神となっており、老夫婦と娘の三人だけが残されていた。老母は、松太郎が生前幽冥に通い天満宮の御寵愛を受けていた様子を、逐一小野に語って聞かせたという。
原典より
松太郎、夫婦共天満宮の御用の便利として形を御引揚になりて、最早幽冥の神となられおり、—— 近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年))
『近代日本霊異実録』は、笠井鎮夫が著して昭和四十一年に昭森社から初版を出した、幕末から近代の神憑りと霊異の記録で、ここに収めるのは昭和四十八年に山雅房から出た複刻版である。金光教・黒住教・天理教・大本の教祖の神憑り、井上正鉄の求道、宮地常磐・堅磐父子や河野至道の神仙譚、天狗の弟子寅吉の話、長南年恵の奇跡などを、手記・写本・旧著を引いて語る。全十二録からなり、第一録には金光教に入信した著者の父の手記を収め、巻末にあとがきと著者略歴を置く。