渋い顔から名がついた志賀高原の渋池
どんな伝承か
志賀高原の志賀山をめぐる山腹には森の中の湿原が点々とあり、泥炭の上にできた池の水は有機物を多く含むため、かすかに渋みを帯びている。鉢山の山腹にある池で水を口にした人が思わず顔をしかめ、それを見ていた者が渋いのかと声をかけた。このやりとりがもとになって、その池は渋池と呼ばれるようになったという。
原典より
鉢山の山腹の池で水を飲んでいる人が顔をしかめたので、見てた人が「しぶいケ?」と聞いたところから渋池と名がついた。—— 山とお化けと自然界(西丸震哉・山岳・怪異エッセイ・1990年(平成2年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
山とお化けと自然界(西丸震哉・山岳・怪異エッセイ・1990年(平成2年))
『山とお化けと自然界』は、西丸震哉が旧著三冊と雑誌の一篇「ワシは安禄山」を編み直し、一九九〇年に文庫版あとがきを付けた随筆集である。「自然界はもちつもたれつ」「酒」「山」「兄との交信」の四部に、チョウや小動物、山や湿原の探検、酒と温泉の話とともに、横尾谷の岩小屋の幽霊、釜石の幽霊、木曾御岳の人魂、呪い殺しの実験、雨やみの術など著者自身の怪異体験をつづる。あとがきに『未知への足入れ』『山だ原始人だ幽霊だ』『山の動物誌』を元にしたと記す。