講義を聞いた日に下がった前田夫人の血圧
どんな伝承か
神戸市須磨区大手町に住む前田重吉の妻は長く高血圧を患い、その年の六月ごろから悪化し、九月に入ってますますひどくなった。二十六日には血圧が二百二十を超えて最悪となり、応急処置として瀉血をしてもらってもよくならない。苦しみ方が尋常でなく、夜の十二時に四度も医者を迎えたほどであった。折しもその日は須磨で新精神学会の常会が開かれる日で、席にいた大手町の藤本よしえが前田と親交があったことから、巽直道に翌日の見舞いを懇願した。翌日、前田重吉は約一時間の基礎的な講義を受け、午後一時からの講義を聞くために道場へ参会した。それだけで午後七時に医者が測ると血圧は百六十に下がっていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・1973年(昭和48年))
『日本の四次元』は、鈴江淳也が昭和四十八年に著した超常現象の取材記である。幽霊の出る家や競馬場、古武士の怨念、守護霊、心霊写真、新幹線の四次元地帯、心霊治療、物品引き寄せ、てのひら療法、比婆山の怪獣やツチノコ、死後も占う易者犬などを、当事者を訪ねて聞いた話として記す。「幽霊と怨念の世界」から「動植物の驚異」まで六部に分け、あとがきで大陸書房刊『日本の奇談』『現代の怪奇』に続く第三弾と述べ、問い合わせ先を挙げる。