幽霊を乗せた後に続いた運転手の事故
どんな伝承か
深泥池の近くで女の客が消えた京都のタクシー運転手岸光男は、六年間無事故で何度も表彰されたベテランだったが、その日を境に事故が続いた。二日後の十月八日、客を大阪へ送った帰りに枚方バイパスの洞が峠で、左後輪のボルト四本が折れて飛び、あやうく命を落とすところだった。翌九日には祇園で自転車の男をはねて負傷させ、十一月一日には河原町今出川で横から来たトラックにのしかかられ、胸を打って一か月の重傷を負った。岸は長く仕事を休み、年が明けてようやく働きはじめたという。
原典より
驚いて下車、車を点検してみると、左後輪のボルト四本が折れて吹っ飛んでいた。—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。