幽霊が消えた日に病死していた女性
どんな伝承か
京都のタクシー運転手岸光男が乗せた女が深泥池の手前で消えた一件は、警官にも同僚にも錯覚や居眠りだと笑われた。納得のいかない岸が自分で聞き込みに回ると、深泥池は入水自殺の多い因縁の場所で、池のほとりの博愛病院には、池に面して死体置場まであることがわかった。何より、女を乗せたその日に、京大病院で同じ年ごろの女性が家族にも看取られず、寂しく病死していた。病院は名前を明かさなかったが、住まいは深泥池のそばだったという。亡くなった女が家へ帰ろうとしたのだと見られている。
原典より
それよりも明確にこの怪事件と結びつくのは、その日、京大病院で同年輩の女性が家族にみとられることもなく、寂しく病死していることである。—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。